生まれも育ちも横須賀市ハイランド。
社会に出てからは、
横須賀は寝に帰るだけの場所だった。
街がどうなっているのか、
なんて知らなかったし、
知ろうとも思わなかった。

縁あって青年会に入った。
ボランティア活動をしてきた。
すると、見たことのない
景色や情報が入ってきた。
谷戸に住むおばあちゃんが
必死に階段をのぼっている姿。
子どもの数が減っていてスカスカの学校が
次々と廃校になっていく姿。
学力調査の結果がすこぶる悪いこと。
企業がどんどん出ていってしまい、
外から全然入ってこない。
だから市の財政は悪化する一方。
愛着のあったデパートが縮小していく。
自分の親しい仲間の会社もふくめて
中小零細企業がつぶれていく。
高齢化が進み、医療のニーズも増え、
お医者さんも看護師さんも大変そうだ。
このままで大丈夫なのだろうか・・・

観光に力を入れている。
観光客も増えているきがする。
外からきてもらうのはうれしい。
でもなかなかリピーターが増えていかない。
根本的な解決のためには
「定住」に目をむける必要がある。
自分は住宅メーカーと
生命保険会社で働いていた。
たくさんの人生設計に関わり、
わかったことがある。
人がくらすうえで重視するのはふたつ。
ひとつは「教育」。
わが子を通わせたい学校があったら、
お父さん・お母さんは通勤時間が
30分増えても教育を優先する。
もうひとつは「医療」。
いい病院や介護施設があって
家族が安心するなら、
お父さん・お母さんは
30分長く電車に乗る。
すべては家族愛。
そんなシーンを何度も見てきた。
目に見えない将来の問題に焦点をあて、
対策をうつ仕事をしてきた。
この経験を、
まちづくりにもいかせないだろうか。

田中洋次郎